医療法人徳寿会理事長 年頭所感

今日は冬至から数えて15日目、小寒をまもなく迎える時期になり、1月20日には大寒となり、2月4日には立春が巡ってきます。(この間を“寒の間”といい、一年で一番寒さが厳しい時期です。)“冬来りなば春遠からじ”といいます。季節に移り変わりがあるように、人生はつらく不幸なことに見舞われようとも必ずや佳き日が到来します。

 日本人は古来、先祖の御霊を敬い、氏神神社に寄り集いながら地域の団結を維持し、人々の安寧と子孫の繁栄を祈念して参りました。氏神神社には、鬱蒼たる木々が生い茂り、“神社の杜”といわれる場所が形作られ、人々の心の拠り所として大事に護られてきました。

 然るに、現在はAIを筆頭とした便利なもの、手軽で辿り着きやすいものに人々の関心が集まり、日本人の心の礎というべき氏神信仰が軽視され、破綻の瀬戸際に立っているといわざるを得ません。今こそ改めて若い人達に問いたい!【日本人のアイデンティティーをどこに見出そうとしているのか?と】サッカーワールドカップのような出来事にしか“日本”という存在を意識しえない状況に、今、日本の置かれている深刻な危機を感ずるのは私の考えすぎであろうか?

杞憂であれば幸いです。

“臍下丹田”臍下三寸に力を込めて、一日一回姿勢を正すことで本来あるべき自分の姿を確認し、困難に立ち向かう勇気が湧いてくるものと日々、自戒してゆきたいと思う年頭です。

医療法人徳寿会理事長(鴨島病院長) 浅野 登